新着情報

2020年8月1日
私たちのキンギョのゲノムと多様性の研究内容がテレビで紹介されます。長浜バイオ大学や共同研究を行っている遺伝学研究所、愛知県水産試験場弥富指導所で収録が行われました。 BSフジの科学番組ガリレオXで放送されます。
「キンギョの不思議〜生物が体を形作る仕組みに迫る」
8月9日(日)AM11:30-12:00(再放送8月16日(日)AM11:30-12:00)

ガリレオXのリンク
https://www.bsfuji.tv/galileox/pub/225.html


2020年5月8日
様々な形態を持つキンギョ27品種の全ゲノムリシーケンス解析を行った論文がCurrent Biologyに出版されました。デメキンの出目の表現型やロングテール、ランチュウの背ビレ欠損と関連する遺伝子座をGWAS解析の手法によって見出しました。1400万年前に全ゲノム重複したキンギョの祖先種のサブゲノムの変化の度合いが異なる現象「非対称サブゲノム進化」が発見され、この現象とキンギョの多様性の関連が予想されます。Current Bilogy2020年6月22日号の表紙に関連の新潟のキンギョ「タマサバ」の写真が選ばれました。

Current Biologyのリンク
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(20)30548-0#secsectitle0300


2020年4月23日
2021年度採用分の日本学術振興会特別研究員PDの募集が開示されております。受け入れ研究室として当研究室を候補にお考え方はご連絡ください(申請提出期限2020年6月3日)。キンギョの表現型の多様性とゲノムの進化についてWETとDRYの両面からゲノム科学的な研究を行っております。

特別研究員公募のPDFリンク
https://www.jsps.go.jp/j-pd/data/boshu/poster_pddc.pdf
2019年7月4日
キンギョ全ゲノム解読の論文のプレスリリースを行いました。毎日新聞、日本経済新聞、朝日新聞、産経新聞、日刊工業新聞などに掲載され、NHKおはよう関西で放送されました。

プレスリリース
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2019/20190627_1
2019年6月27日
キンギョ全ゲノム解読の論文がScience Advancesに掲載されました。
De novo assembly of the goldfish (Carassius auratus) genome and the evolution of genes after whole-genome duplication
2019年4月1日
長浜バイオ大学 フロンティアバイオサイエンス学科 教授に就任しました。
2018年4月1日
Cell Reports に論文が掲載される。
Lrit1, a Retinal Transmembrane Protein, Regulates Selective Synapse Formation in Cone Photoreceptor Cells and Visual Acuity
2017年9月26日
PNAS に論文が掲載される。
Samd7 is a cell type-specific PRC1 component essential for establishing retinal rod photoreceptor identity
2017年2月22日
Journal of Neuroscience に論文が掲載される。
Ick ciliary kinase is essential for planar cell polarity formation in inner ear hair cells and hearing function
2016年9月28日
JBCに論文が掲載される。
Loss of ift122, a Retrograde IFT Complex Component, Leads to Slow, Progressive Photoreceptor Degeneration Due to Inefficient Opsin Transport
2016年4月8日
日本眼科学会総会において発表 (仙台国際センター)
ゼブラフィッシュを用いた眼疾患・基礎研究のためのスキルとストラテジー
2015年12月4日
日本分子生物学会において発表 (神戸ポートピアホテル)
ワークショップ :シリア・中心体系が織りなす生体システムのダイナミズム オーガナイザー:北川 大樹(国立遺伝学研究所)、大森 義裕(大阪大学)
2014年11月20日
国際繊毛会議Cilia2014で発表(パリ・パスツール研究所)
Intestinal cell kinase (ICK), is required for cell type-specific ciliogenesis and the regulation of ciliary transport at ciliary tips
2014年10月1日
実験医学に記事が掲載される。
「繊毛局在キナーゼICKは細胞種特異的な繊毛形成と繊毛内輸送の制御に必須である」実験医学 2014,10月号 32(16)2612-2615
2014年9月13日
日本神経科学会大会で発表(横浜)
一般口演 セッション:突起伸展・回路形成 1
2014年5月6日
EMBO Jに論文が掲載
ICK is essential for cell type-specific ciliogenesis and the regulation of ciliary transport.EMBO J. 2014 Jun 2;33(11):1227-42.
2013年6月21日
日本神経科学会大会で発表(京都)
シンポジウム「繊毛と神経機能」」
2012年12月13日
日本分子生物学会で発表(福岡)
ICK is required for ciliogenesis in neural progenitor cells and Hedgehog signaling
2012年12月13日
日本分子生物学会で発表(福岡)
ICK is required for ciliogenesis in neural progenitor cells and Hedgehog signaling
2012年5月24日
国際会議 Cilia in development and diseaseで発表(ロンドン)
Photoreceptor degeneration caused by defects of a ciliary kinase
2011年11月13日
北米神経学会(ワシントンDC)で発表。
Antagonistic regulation of ciliary length by ciliary kinase Mak and RP1 is required for photoreceptor survival
 

キンギョを用いた脊椎動物の形態形成・進化の研究と繊毛の研究を行っています。

キンギョを用いた脊椎動物の形態形成・進化の研究

私たちは、新型のロングリード次世代DNAシーケンサーとゲノム構造をシンプルにした雌性発生キンギョを用いて、これまで難しいとされてきたキンギョの全ゲノムの解読を行いました。この研究により、多様な形態と体色のバリエーションを持つキンギョの品種(変異体)の研究や、1400万年前に全ゲノム重複を経験したキンギョのゲノム進化の研究を行うことが可能となりました。

視細胞の繊毛の電子顕微鏡写真 キンギョの全ゲノム解析によりキンギョの全ゲノム重複後のゲノム進化の様子が明らかとなった。
 

繊毛とは?

繊毛(せんもう、cilia)は細胞から生えた毛のような構造体で、微小管の軸を持っています。繊毛を輪切りにすると9本の微小管の束が規則正しく並ぶ特徴的な構造を持っており、中心部に2本の微小管があるタイプ(9+2)と無いタイプ(9+0)の繊毛があります。繊毛と似たような細胞表面の突起構造に絨毛(じゅうもう)があります。絨毛は小腸上皮細胞などに見られのですが、繊毛と違ってアクチン繊維の軸を持っています。

視細胞の繊毛の電子顕微鏡写真 視細胞の繊毛の電子顕微鏡写真:網膜視細胞の繊毛を輪切りにすると9+0の微小管配列が見られる。
 

繊毛の役割は?

繊毛には動くタイプと動かないタイプがあります。はダイニンのモーターで動くことで「細胞の腕」としての役割や繊毛に存在する受容体を使って細胞のセンサーの働きをしています。
繊毛には、動くものと動かないものがあります。動く繊毛としては、精子の尾部や気道上皮の繊毛が有名ですが、これらの繊毛はダイニンのモーターで動くことで「細胞の足や腕」としての役割を持っています。体中のほとんどの細胞は動かない繊毛(一次繊毛)を持っており、繊毛の表面にはセンサー蛋白質や受容体蛋白質が局在しています。一次繊毛は、細胞外の情報をキャッチするアンテナとして重要です。例えば、鼻の嗅覚レセプターは嗅細胞の繊毛に存在し、匂いセンサーの役割を果たしています。また、腎臓の上皮細胞の繊毛には流量センサーとなる分子が局在しています。

繊毛の役割説明図 繊毛は細胞外の情報をキャッチする「アンテナ」の
役割をもつ
 

繊毛はすべての細胞にあるのですか?

哺乳類では、ほとんどの体細胞が繊毛を持っています。多くの細胞は、1つの細胞に1つの動かない繊毛(1次繊毛、primary cilium)を持っています。逆に、分裂期にある細胞や、肝臓の肝細胞などでは、繊毛が存在しないことが知られています。
哺乳類だけでなく、多くの生物が繊毛を持っています。哺乳類(ヒト、マウス)だけでなく、魚類(ゼブラフィッシュ、メダカ)、昆虫(ショウジョウバエ)、線虫(C. elegans)、鞭毛虫(クラミドモナス)などのモデル生物でも繊毛の研究が行われています。酵母は繊毛を持っていません。

 

繊毛の異常は病気と関係があるのでか?

深い関係があります。繊毛の機能の異常は、ヒトでは様々な疾患を引き起こします。繊毛の異常は、私達が研究している視覚障害(網膜色素変性症)の他にも、腎障害(多嚢胞腎)、不妊、過食による肥満・糖尿病が引き起こされることが知られています。また、臓器非対称性(心臓が体の左側に位置する仕組み)の形成や、脳・神経系の正常な発生にも大切な役割をもつことが明らかとなっています。これらの疾患の原因を探り、診断法や治療法の確立のためにも、繊毛の研究は重要です。

繊毛関連疾患 繊毛の異常は様々な疾患の原因となる(繊毛関連疾患. Ciliopathy)
 

参考文献(総説)

大森義裕、古川貴久、「網膜の視細胞における繊毛タンパク質の輸送機構と疾患」細胞工学2009, 28, 10月号, 1036-41

 

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